融資を引き出しやすい補助金とは?金融機関が支援しやすい「中小企業省力化投資補助金」

補助金は後払い。だからこそ資金調達が重要!

電卓を使って計算し、ビジネスデータを分析する様子

多くの補助金は、採択されてもすぐに現金が入るわけではなく、事業を完了して報告をした後に振り込まれる「後払い方式」です。設備投資やシステム導入など、事前に大きな支出が必要になるケースが多いため、補助金が採択されても、先に資金を用意する必要があります。

自己資金で賄うことが難しい場合、金融機関からの融資(つなぎ融資)を活用することが一般的ですが、実は補助金の内容によっては、金融機関が融資を渋るケースもあります。

新規事業は融資が通りにくい?金融機関が慎重になる理由

虫眼鏡で光る電球を拡大し、アイデアを強調したデザイン

金融機関は、基本的に「過去の実績」や「経験」を重視します。そのため、例えば「新規事業の創出」や「新規顧客層への展開」といったテーマでの補助金活用の場合、実績のない事業に対しては審査が厳しくなり、融資が通りにくくなります。

これは、事業計画書の内容がどれだけ優れていても、売上や利益の根拠が示しづらいためであり、結果的に「返済できるかどうか不透明」と判断されやすいためです。

特に、まったく新しい分野や商品で挑戦する事業の場合、金融機関の理解が得づらく、リスクが高いと見なされてしまいます。

融資を受けやすい補助金「中小企業省力化投資補助金」

その点で、金融機関が支援しやすい補助金のひとつが「中小企業省力化投資補助金」です。

この補助金の目的は、今行っている事業を省力化して生産性を向上させること。
つまり、過去の実績がある事業の効率化なので、売上や利益へのプラス効果を具体的に数字で示すことができます。
例えば、

  • 人件費が年間○○万円削減できる
  • 生産量が○○%向上する
  • 月の利益が○○万円増える

といった形で「借入金の返済原資が増える根拠」を明確に提示できるため、金融機関も安心して融資を検討しやすくなります。

中小企業省力化投資補助金の概要

  • 目的:
    • 省力化・自動化を通じて、生産性向上を目指す設備投資やシステム導入を支援する補助金
  • 補助率・上限額:
    • 補助率は、事業規模などによって異なりますが、1/2〜2/3程度
    • 補助上限額は、数百万円から最大1億円規模まであります

中小企業省力化投資補助金の2つの型

カタログ型

あらかじめ事務局が用意したカタログ内の省力化設備から選択して導入する方式。手続きが簡単で、短期間での導入が可能です。

例:

  • 自動調理機器
  • 配膳ロボット
  • 業務用食洗機

一般型

カタログにない機器や独自システムの導入など、柔軟な設備投資を支援。事業規模が大きい会社や、より高度な省力化を目指す場合に活用されます。

例:

  • 工場の自動搬送システム
  • AI搭載の外観検査機
  • オーダーメイドの倉庫管理システム

成功事例

【飲食店の事例】
人手不足に悩んでいた飲食店が、配膳ロボットを導入。
スタッフの負担が大きかった配膳作業を自動化することで、接客品質を向上させながら、労働時間を削減。結果的に人件費の削減と顧客満足度の向上を実現しました。

【製造業の事例】
工場内の搬送作業を自動化するため、無人搬送車(AGV)を導入。
夜間作業の人員を削減しながら、出荷量を維持することに成功し、年間数百万円のコスト削減と利益増加を達成しました。

まとめ

黒板に「まとめ」と書かれた写真です。

「補助金を活用したいけれど、資金が足りない…」という時、金融機関からの融資が必要になります。
特に、返済原資が明確で事業効果が数値化しやすい「中小企業省力化投資補助金」は、融資を引き出しやすい補助金のひとつです。

人手不足や生産性向上に課題を抱える企業にとって、補助金と融資を組み合わせた設備投資は、事業改善の大きなチャンスとなります。

※本サイトでは「補助金」、「助成金」、「支援金」等、知らないと損する支援制度を紹介しています。筆者の個人的な予想・見解も含みます。また、公式情報は日々更新・追加されることがありますので、申請・応募の際は最新情報を随時ご確認ください。正式・正確な情報は担当省庁等へ直接お問合せください。
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