企業の成長と働きやすさを支え、補助金・助成金の活用にもつながる認定制度とは?

近年、企業における「働きやすい職場環境づくり」は、従業員の定着率向上や企業イメージの向上に欠かせない要素となっています。特に女性活躍や子育て支援に力を入れる企業は、優秀な人材の確保や企業ブランディングの強化において大きなメリットを得られます。

そんな中、厚生労働省が推進する「えるぼし認定」と「くるみん認定」という2つの制度が注目されています。えるぼし認定は女性が活躍しやすい企業に与えられる認定制度で、くるみん認定は子育て支援に積極的な企業が取得できる制度です。

これらの認定を受けることで、企業の社会的評価が向上するだけでなく、補助金・助成金の優遇措置を受けられる可能性もあります。本記事では、「えるぼし認定」と「くるみん認定」の違い、取得条件、メリット、そして補助金活用のポイントについて詳しく解説します。

えるぼし認定制度とは?

スーツを着た男性が考え込む様子を示した写真です

えるぼし認定制度は、「女性活躍推進法」(正式名称:女性の職業生活における活躍の推進に関する法律)に基づいて設けられた制度です。この制度では、一定の基準を満たした企業に対して、厚生労働大臣が認定を行います。
認定を受けた企業は、「えるぼしマーク」を取得でき、これを活用することで企業のブランディングや採用活動の強化が可能になります。

えるぼし認定を取得することで、「女性が活躍しやすい企業である」という証明になり、企業の社会的評価が向上します。

えるぼし認定の取得条件

えるぼし認定を受けるためには、以下の5つの評価項目で一定の基準を満たす必要があります。

  • 採用
    女性の採用比率が一定の水準を超えていること。
  • 継続就業
    女性の平均勤続年数が男性と同等か、それに近い水準であること。
  • 労働時間などの働き方
    残業時間が適切に管理され、ワークライフバランスが確保されていること。
  • 管理職比率
    女性の管理職登用が進んでいること。
  • 多様なキャリアコース
    女性が多様な働き方を選択できる制度が整備されていること。

企業は、これらの項目の達成度に応じて、1段階目・2段階目・3段階目のいずれかの認定を受けることができます。最高評価である3段階目を取得するには、5つすべての項目を満たすことが必須です。

えるぼし認定と補助金・助成金の活用

木製ブロックに「USAGE」と書かれた写真です。

えるぼし認定を取得すると、企業は以下のような補助金・助成金の活用が可能になります。

  • 女性活躍推進助成金
    えるぼし認定を受けた企業は、女性のキャリア形成や働き方改革を進めるための助成金を活用できます。
  • 企業成長のための補助金優遇
    一部の補助金申請において、えるぼし認定を取得していることが加点対象となる場合があります。
  • 採用・定着支援における補助金
    女性の雇用促進や職場環境改善に関する補助金が申請可能となることがあります。

くるみん認定制度とは?

くるみん認定制度は、「次世代育成支援対策推進法」に基づき、一定の基準を満たした企業に対して厚生労働大臣が認定を行う制度です。企業が子育て支援に取り組み、働きやすい環境を整えることで「くるみんマーク」を取得できます。

このマークを取得することで、企業の社会的評価が向上し、CSR(企業の社会的責任)活動の一環として活用できます。くるみん認定を取得すると、企業のブランド力が高まり、採用や社内環境の改善に加えて、補助金・助成金の申請で優遇措置を受けることが可能になります。

くるみん認定の取得条件

木製ブロックで「CHANGE」と「CHANCE」を切り替える写真です。

くるみん認定を受けるためには、以下の条件を満たす必要があります。

  • 一般事業主行動計画の策定と実施
    企業は、育児と仕事の両立を支援するための計画(一般事業主行動計画)を策定し、実施しなければなりません。
  • 計画期間内に数値目標を達成
    具体的な目標を設定し、それを達成することが求められます。
    • 育休取得率の向上(男性社員の育児休業取得を促進)
    • 労働時間の短縮(フレックスタイムや短時間勤務制度の導入)
    • 育児支援制度の利用促進(企業内保育施設の設置など)
  • 男性の育児休業取得
    くるみん認定の大きなポイントの一つは、男性社員が育児休業を取得しているかどうかです。
  • 法令遵守
    労働基準法や育児・介護休業法を守り、適切な労務管理を行うことが求められます。
  • その他の働き方改革の取り組み
    テレワーク制度や時短勤務制度、フレックスタイム制の導入など、柔軟な働き方を提供している企業も評価されます。

くるみん認定の申請方法

くるみん認定を取得するための手順は、以下の通りです。

  • 一般事業主行動計画の策定・届出
    企業は、「次世代育成支援対策推進法」に基づき、「一般事業主行動計画」を策定し、労働局に提出します。
  • 計画の実施と取り組みの進捗管理
    策定した計画に沿って、育児支援の取り組みを進め、定期的に進捗を確認します。
  • 目標達成の確認
    計画期間内に目標が達成されたかをチェックし、特に男性の育児休業取得率や短時間勤務制度の利用状況を確認します。
  • 認定申請の提出
    目標を達成した場合、労働局に申請書類を提出し、審査を受けます。基準を満たせば、くるみん認定を取得できます。

くるみん認定と補助金・助成金の活用

くるみん認定を取得すると、企業は以下のような補助金・助成金の優遇措置を受けることができます。

  • 両立支援等助成金
    育児休業取得者の増加や短時間勤務制度の導入を支援する助成金を活用できます。
  • 働き方改革推進助成金
    フレックスタイム制度やテレワークの導入を進めるための助成を受けることが可能です。
  • 人材確保等支援助成金
    職場環境の改善や人材の定着を促進するための助成金が利用できます。

まとめ

黒板に「まとめ」と書かれた写真です。

「えるぼし認定」と「くるみん認定」で企業の魅力を高め、働きやすい環境を実現しよう!

「えるぼし認定」と「くるみん認定」は、それぞれ女性活躍推進と子育て支援という異なる視点から、企業の成長を後押しする制度です。認定を取得することで、企業のブランディング強化、採用力の向上、従業員の定着率アップなどのメリットを享受できます。さらに、一部の補助金・助成金の申請時に優遇措置を受けることも可能です。

企業が長期的に成長し、優秀な人材を確保するためには、働きやすい職場環境の整備が不可欠です。ぜひ、「えるぼし認定」と「くるみん認定」の取得を検討し、より良い企業づくりを目指しましょう!

※本サイトでは「補助金」、「助成金」、「支援金」等、知らないと損する支援制度を紹介しています。筆者の個人的な予想・見解も含みます。また、公式情報は日々更新・追加されることがありますので、申請・応募の際は最新情報を随時ご確認ください。正式・正確な情報は担当省庁等へ直接お問合せください。
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